良い本部vs悪い本部 失敗しない本部選び6つのポイント
Point 1 本部の経営姿勢をチェック
最初にチェックするのは、本部の経営姿勢です。その本部がどのような経営者や経営スタッフのもとで、どのような経営理念を掲げているかを調べ、そこに共感できるかどうか、その経営姿勢が社会に受け入れられているかどうかを見ます。
経営者や経営スタッフとの「相性」は、結構大事です。フランチャイズ本部と加盟店は一心同体、同じ船に乗り合わせた仲間ですから、そりが合わないと長い間一緒にやっていくことはできないかもしれません。
ビジネス環境はいい時もあれば悪い時もあります。特にピンチの時には、相性が合う仲間とでないと、修羅場をくぐれないものです。お互いを信じられるかどうかというのも、案外、相性が重要な要素だったりします。
その本部の経営者や経営スタッフがどのような人であるかは、ある程度時間をかけて情報収集する必要があるでしょう。
ホームページや業界誌のインタビュー記事だけでなく、著書があれば入手して熟読し、インターネットで名前を検索して細かい情報まで集めるようにします。
本部選びが進むと、先輩の加盟店や同業種のライバルからも話を聞く機会ができるでしょう。そこでも噂や印象という形で意見を入手できます。
経営者や経営スタッフを見る時に大切なのは、「経営者の資質」です。もちろん人柄や性格も大事ですが、ビジネスパートナーを選ぶのですから、このポイントが一番重要なはずです。
「経営者の資質」とは、これまでの経歴や専門知識、人間性などがセットになったもので、そのビジネスをやりとげるためにその人が用意したヒューマンリソースです。
それがないのに、ただ空元気で威勢のいいことを口にするだけでは、人生を賭けたパートナーとしては不足でしょう。
また、その人物がどのような将来ビジョンを描いているかも、ぜひチェックしましょう。
経営者は言わば船頭のようなものですから、乗り合わせた人をどこに連れて行くつもりなのかは、ぜひ知っておきたいことです。それが口から出任せの嘘であったら困ります。
その経営者が描く将来ビジョンに強い共感を覚えられたなら、まずは第一関門をクリアしたと言えるかもしれません。
「経営理念」については、ホームページや会社案内に必ず掲げられていますから、知ることは簡単にできるでしょう。
ただし、世の中にはお題目だけの理念を掲げている会社も少なくありません。「その理念は魂の叫びのような本気のものなのか」「その理念を実現するために人生を賭けているか」といった「本気度」を探っていけば、お飾りの理念はやがて化けの皮がはがれます。
経営姿勢が社会に受け入れられているかは、繁盛しているかどうかである程度わかります。しかし、その場限りのサービスで人気を博している場合もないとは言えません。
その違いを判断するには、ある程度時間を置いて観察することが必要です。ただ安いから、量が多いから、流行だからといった理由で流行っているところは、やがてパタリと客足が途絶えるものです。好不調の波があっても、根強いファンに支えられているビジネスなら、大丈夫でしょう。
そういうものを知るためには、同じ方向から観察するだけではダメです。ある時はお客様の目線で、ある時は仕入れ業者の立場で、またある時はライバルの視点で、そのビジネスを観察する複眼的な目が求められます。