個の時代の自由な働き方-独立開業
「独立開業」とは、組織に属さず自分で100%のリスクを背負い、仕事をしていくことです。「寄らば大樹の陰」式の生き方がサラリーマン生活であるとするならば、「独立開業」とは、大海原を小舟で航海していくことにたとえることができます。
自分自身の力と知恵で困難に打ち勝ち、素早い判断と自慢の技術で目的地に向かっていく。しかもこの小舟は、航海に成功すると、どんどん大きくしていくことができるのです。
独立自営の人には定年がありません。
「まだまだ働けるのに…」
「再就職の口は駐車場係かビル清掃しかない…」
「今さら趣味を持てといわれても、仕事が趣味だったから…」
「年金だけで暮らしていけるのだろうか…」
独立開業に成功した人は、このような不安とは無縁の、毎日が輝いて張りのある生活を送ることができます。体が動く限り、頭脳が働き続ける限り。
「個の時代」というフレーズは20年ほど前から言われてきたことですが、おもに消費者について重点的に語られてきていました。
しかし、しだいにはっきりしてきたのは、これがあらゆる局面に広まっていることです。売り手も買い手も、先生も生徒も、経営者も労働者も、すべてが集団(マス)ではなく、個(パーソナル)としての特徴をあらわにしてきました。
すでに流通、小売の世界で川上と川下の力関係が逆転したように、個が力を持ち、意見を表明し、購買力を誇示することが、すべての舞台で起こってきます。それを助長しているのが、インターネットとその上で展開されているさまざまなサービスです。これに対して大企業は「ワントゥワン・マーケティング」「顧客満足(CS)」などの考え方で対応していこうとしますが、いろいろな部分にいわゆるニッチ(隙間)が生まれてきています。
ここで活躍するのが、独立開業組などのベンチャーです。そもそも自分たち自身が「個」ですから、小回りが利き、発見した隙間にすばやく入り込むことができます。あるものは技術力を活かし、あるものはスピードと変化への対応を武器にし、またあるものは企業間のインターフェースとして活躍していきます。
そのような時代に独立して仕事を創り出していくためには、どんな資質が必要とされるのでしょうか。また、その準備には何が必要でしょうか。さらには、独立開業希望者が陥りやすい罠にどんなものがあるのでしょうか。本サイトでは順次、それらについて見ていきたいと思います。