独立開業に必要な資金、人材、設備など
ビジネスには「ヒト、モノ、カネ」がセットで必要です。最初のヒトは自分自身を充てるとして、次のモノとカネはどうするか。ここが難関です。たとえば次の項目である「独立のスタイル」で何を選ぶかによっても、必要な資金や物件、備品が変わってきます。
完全独立を選べば、資金や設備をある程度コントロールできますが、その代わりに成功の難易度が高くなります。FCや代理店などを選んだ場合は、加盟金や保証金などの定められた資金を用意しなければなりません。
これは一般論ですが、「開業資金は苦労して作ったほうがいい」とよく言われます。たとえば裕福な親から資金を全額援助してもらったりすると、無駄遣いしがちになるというのです。でも、資金を無駄遣いするというのは、そもそも経営者としての心構えが未熟だからで、問題はそちらにあります。いずれにせよ、資金問題は独立開業で避けて通ることのできない問題です。
中小企業庁の「中小企業白書2013年版」(http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html)によると、多くの独立開業者が自己資金と公的融資で開業資金をまかなっています。「自己資金のみ」という人もかなりいて、その場合は250万円以下の資金で独立しています。
現実問題として、「250万円以下で独立できるのか?」と思うかもしれませんが、たとえばネットショップで自分の作ったものや仕入れたものを売る場合、スタートに際して必要なのはパソコンとプリンター、インターネット環境とネットショップを構築するためのソフト、商品写真を撮影するためのカメラや照明機材くらいです。包装資材やある程度の商品ストックを考えても、250万円以内での起業が可能でしょう。
でも、たとえば「イタリアンレストランをやりたい!」と思っている人は、どう考えても数千万円の資金が必要になります。レストランの物件を借りて厨房設備や内装工事を行い、スタッフを集めてメニューを印刷…。それは数百万円ではできません。
「失敗しない開業」という観点から言えば、「借りる資金はなるべく少なく」となりますが、「何がやりたいのか」で必要な資金は桁が違ってきます。まずはご自分の夢を優先させる方向で考えてみて、足りない部分をどうするかを工夫するようにすべきでしょう。
たとえばレストランの場合は居抜き物件の活用や、中古の厨房設備の利用など、コストダウンの方法はいろいろあります。